防護柵設置基準の変遷

※防護柵設置基準の簡単な変遷をご紹介いたします。

1956年(昭和31年5月)に(社)日本道路協会より『鋼道路橋設計示方書』が発刊され、高欄に関して基準が定められました。

  • 高さは路面より0.9mを標準
  • 荷重は250kg/m

1965年(昭和40年12月)に(社)日本道路協会より『ガードフェンス設置要綱』が発刊され、初めて車両用防護柵の基準が定められました。

1967年(昭和42年12月)、1972年(昭和47年10月)に(社)日本道路協会より『防護柵設置要綱』が改定版として発刊されました。

1986年(昭和61年7月)に(社)日本道路協会より橋梁用防護柵および耐雪型防護柵の技術指針として『防護柵設置要綱・資料集』が発刊されました。
ここで、橋梁用の転落防止柵と車両用防護柵の設計体系が確立されました。

【橋梁用の転落防止柵の場合】

  • 高さは路面より1.1mを標準
  • 荷重は250kg/m(水平荷重)

【橋梁用の車両用防護柵の場合】

  • 主要横梁の中心高さは地覆面より、0.6m以上0.8m以下
  • 下段横梁の中心高さは地覆面より、0.25m以上0.55m以下
  • 種別:A種、B種、C種

※歩行者自転車用柵を兼用した場合、防護柵の高さは路面より、1.1mを標準

1998年(平成10年11月)に(社)日本道路協会より、仕様規定から性能規定へ変更された『防護柵の設置基準・同解説』が発刊されました。2004年(平成16年3月)に「景観に配慮した防護柵の整備ガイドライン」の発刊に合わせて、内容の見直しが行われ改訂がなされました。

【橋梁用の転落防止柵の場合】

  • 高さは路面より1.1mを標準
  • 種別:SP種
  • 荷重は2500N/m(水平荷重)  980N/m(垂直荷重

【橋梁用の車両用防護柵の場合】

  • 主要横梁の上端高さは路面より、0.9m以上1.0m以下
  • 下段横梁の中心高さは地覆面より、0.25m以上0.6m以下
  • 種別:SS種、SA種、SB種、SC種、A種、B種、C種

※歩行者自転車用柵を兼用した場合、防護柵の高さは路面より、1.1mを標準

2008年(平成20年1月)に(社)日本道路協会より、平成17年5月 ガードレールに付着した金属片による事故、また、平成18年8月には後続車両に追突された車両が歩道を乗り越えて橋梁の高欄を突破する車両転落事故など、このような事故を踏まえ、より安全性を向上させるため、基準の解説書の改定版としてまとめられました。

【主な改訂点】

  • 歩道などのある橋梁・高架区間での歩車道境界に必要に応じて車両用防護柵を設置する区間
  • 既設の橋梁・高架に車両用防護柵又は高欄兼用車両用防護柵を設置する場合の考え方
  • 防護柵への付着金属に対する対応

平成28年12月改訂

2016年(平成28年12月)に(公社)日本道路協会より、幅員が狭い道路においても歩行者等を保護することを目的とした「生活道路用柵」に関する改訂が行われました。

【主な改訂点】

  • 幅員が狭い道路においても歩行者等を保護できるようにするため、歩道等への車両の進入防止と歩行者等の横断防止などを目的とした「生活道路用柵」について解説を追加。
  • 支柱地際部の防錆・防食対策、点検時の対応等について解説を追加。

令和3年3月改訂

2021年(令和3年3月)に(公社)日本道路協会より、交差点の交通安全対策に対するニーズの高まりを受け、防護柵では対策しにくい箇所である交差点の横断歩道接続部などにおいて、ボラードによる対策を行う際に参考とするための「ボラードの設置便覧」を新たにとりまとめ追加、改訂が行われました。

【主な改訂点】

  • 交差点部の歩道に待機する歩行者の保護対策を図る際に参考とする「ボラードの設置便覧」を
    追加。
  • 防護柵の日常的な巡視・点検において、着目すべき部位・損傷状態に関する解説などに関して
    拡充された。